顧客に最適なコンテンツを提供する方法

 2010年代以降、モバイル端末の普及により、多くの人々がインターネットに接続するようになり、Webコンテンツが増大しました。その結果、人々は何か知りたい事があった場合、「まずはインターネットで探す」という行動をとるようになりました。一方で、人々は日々多くの情報に晒されるため、自分に関係のないと判断した情報についてはシャットアウトするようになったとも言われています。

 

 そのため、真に価値あるコンテンツをどのように制作し、適切な顧客に提供するのかが重要視されるようになりました。そこで注目されたのが「コンテンツストラテジー(コンテンツ戦略)」です。コンテンツストラテジーはホームページなどで見られるような文章中心のコンテンツだけでなく、最近注目されている動画コンテンツ・音声コンテンツにも活用できます。

 

 ここでは、コンテンツストラテジーの概要について解説していきます。

 

 

■コンテンツストラテジー(コンテンツ戦略)とは

 コンテンツストラテジーの捉え方や基準については、たくさんの意見があるため、正確な定義付けすることは難しく、また実践においては、定義付けすることに大きな意味のないことだと考えています。

 

 そこで、ここでは5W1Hフレームワークを用いて、コンテンツストラテジーのポイントを整理した定義を示します。それが、次の通りです。

 

 コンテンツストラテジーとは

  1. WHO (誰が)            組織や個人が

  2. WHAT(何を)              適切なコンテンツを

  3. WHOM(誰に)       適切なターゲット層に

  4. WHY (なぜ)          適切な理由と

  5. WHEN(いつ)        適切なタイミングと

  6. HOW (どうやって)      適切な方法で

 提供するための戦略である。

 

 ここで、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

 

 1. WHO(誰が)

  これまでコンテンツストラテジーの主体は、組織であることが通常でした。しかし、今では個人でコンテンツを制作し、提供できるため、コンテンツストラテジーフリーランスなどの個人も活用できます。

 

 2. WHAT(何を)

  近年、誰でも情報発信できることから、コンテンツの信憑性の問題が取り上げられています。最近の大きな事件として、2016年にDeNAが運営していた医療情報をまとめたキュレーションサイトWELQが、偽医療情報を配信していたことが発覚し、サービス閉鎖に追い込まれています。このように、ユーザーにとって不利益を被るような信憑性の低いコンテンツを提供することは、個人や組織の信頼を大きく損ねるため、コンテンツの質については十分に精査する必要があります。

 

 3. WHOM(誰に)

  制作したコンテンツを「誰に」届けたいのか? それが、はっきりとしないかぎり、どれだけ質の高いコンテンツを制作しても、ユーザーは十分な価値を享受できません。そこで、どのような人物をターゲットに設定するのかを決めることが重要になります。このターゲット設定のために用いられるのが「ペルソナ分析」という手法です。

 「ペルソナ分析」の具体的な内容については、以下の記事を参照ください。

 

 ・「ペルソナ分析」とは(執筆予定。少々お待ちください)

 

 4. WHY(なぜ)

  コンテンツを提供する理由、つまり目的を明確にする必要があります。これは最も重要なことであり、当たり前のことのように思われるかもしれませんが、意外にも目的が曖昧なコンテンツは多く存在します。

  ターゲットが何で悩んでいて、あなたが制作したコンテンツをみることで、どのような状態に変化させたいのかを充分に検討しなければなりません。また、目的が達成されたかどうかを客観的に判断できるような指標を設定することも重要です。このような指標を「KPI」と呼びます。コンテンツストラテジーの分野において、よく利用される「KPI」については、以下の記事を参照ください。

 

 ・コンテンツストラテジー分野におけるKPI(執筆予定。少々お待ちください)

 

 5. WHEN(いつ)

  普段、めんどくさい飲食店のキャッチセールスも、どこのお店も満席で入店できず途方に暮れているときに話しかけられると、「じゃあ、その店に行こう!」となりますよね? つまり、同じ情報でも、提供するタイミングが違うだけで、それを受け取ったユーザーの行動は変わります。

 コンテンツストラテジーにおいても、コンテンツの制作スケジュールを組み、適切なタイミングでコンテンツをターゲットに提供することは重要です。特に、情報に賞味期限があると言われるようなもの(時事ネタなど)は、人々の関心が冷めてから提供していたは手遅れです。また、過去のコンテンツについても、定期的に見直し、更新することで情報の鮮度を保つ必要があります。

 

 6. HOW(どうやって)

  コンテンツの内容によって最適な形式は異なります。コンテンツの形式には、ブログ、ホワイトペーパー、eBook、レポート、動画、SNSなど様々な種類があるため、コンテンツの提供目的を元に、どれが最適な形式なのかを検討しなけばなりません。それぞれの形式について、メリット・デメリットを知りたい方は以下の記事を参照ください。

 

 ・コンテンツ形式の種類とメリット・デメリット(執筆予定。少々お待ちください)