ヒアリングをするときに抑えておくべき点
クライアントの要望を把握し、目的に適った価値を提供するためだけでなく、自社のリソースでどこまで要望に応えられるかを確認するためにもヒアリングは重要です。
基本的にはクライアントの意見に耳を傾け要望を整理していくのですが、クライアントが把握していない観点があったり、そもそも要望がうまくまとめられておらず政策のコンセプトが決まらないということもあります。
そのような場合に備えて、ヒアリングする側はどのような観点でヒアリングすればいいのかを決めているとスムーズに要望がまとめられてクライアントの満足にも繋がります。
ここでは、WEBサイト制作を例にヒアリングで押さえておくべき点を詳しく紹介します。
①まずは5W2Hを聞き出す!!!
5W2HとはWhy(なぜ)、What(何を)、Where(どこで)、Who(誰が)、When(いつ)、How(どのように)、How much(いくらで)の頭文字をとった、問題や要望をまとめるフレームワークです。具体的には以下のようなことを聞き出し整理します。
・Why(なぜ)
クライアントがなぜWEBサイトを作りたいのかを聞き出します。よくある要望としては、「WEBサイトからの集客を増やし、売り上げを上げたい」などがありますが、この要望に至った経緯までヒアリングすると良いでしょう。
なぜ、最終要望だけでなくその経緯を聞かなければいけないのかというと、クライアントの本当の問題を把握でき、提供しなければいけない機能を洗い出すことができるからです。これについては後ほど詳しく説明します。
・What(何を)
WEBサイトはあくまでもクライアントと市場顧客とをつなぐ入り口の一つであるため、そのWEBサイトでクライアントは何を市場顧客に提供したいのかを整理する必要があります。
例えば、製品を売るのか、資料請求までを提供するのかなど、そのWEBサイトが提供するものの範囲を明確にすることで実装しなければならない機能を決める意思決定材料になります。
・Where(どこで)
WEBサイトの場合、Where(どこで)という項目は後述のWho(誰に)という項目に重なる部分もありますが、どの地域に向けて情報を発信したいのかということを聞き出すと良いでしょう。
・Who(誰に)
ターゲット層を明確にします。WEBの利点としては容易に不特定多数の人に情報を発信できることですが、しっかりとターゲット層を絞り、そのターゲット層が好みそうなデザインやコンテンツにしないと誰もアクセスしないWEBサイトになってしまいます。
・When(いつ)
WEBサイトの作成から公開までの期間、または公開する期間などを把握します。
特に重要なのが作成から公開までの期間であり、納期が遅れることはクライアントの不満足につながるため自社のリソースもとに可能な作成期間を交渉しなければいけません。
・How(どのように)
クライアントの要望を実現するための手段を整理します。
例えば、集客目的のサイトであればSNSとの連携機能を実装しWEBサイトに訪問した顧客が情報を拡散できるようにするなど、様々な手段を提案できます。
・How much(いくらで)
クライアントの予算は無限ではないので、どのくらいの金額が支払えるのか、その金額に見合った仕事量なのかを把握することは、経営していく上で重要です。
また、どのくらいの機能を実装するといくらかかるのかをクライアントに説明できるよう料金体系を整理しておく必要があります。