急成長を続けるインフルエンサーマーケティングプラットフォーム業界。大型の資金調達を成功した「エニーマインド」をマーケティングトレース。#1
会社概要
事業内容
ビジョン | 「働く人たちやその組織、そして、あらゆる産業の成長を支援すること。」 今回の題材であるCastingAsiaのビジョンは以下。 「才能ある全てのクリエイターが世界で活躍できる世界を目指す。」 |
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事業内容 | ①Marketing Tech ②Entertainment Tech←今回の題材 ③HR Tech ④DOOH |
財務状況 | 累積資金調達額:35,900,000ドル |
製品・サービス概要
エニーマインドの「Entertainment Tech」事業には以下の製品・サービスがある
■CastingAsia
■AnyUp
■AnyStyle.Tokyo
市場環境
PEST分析
<PEST分析からの考察>
インフルエンサーを起用した広告・PRを打ち出す企業が増えており、業界の市場成長は高い。
一方でインフルエンサーの地位が高まり、数も増えていることから、企業の担当者だけで自社の戦略にあったインフルエンサーの発掘・管理することは困難になる。 そのため、インフルエンサーマーケティングプラットフォームを利用する企業は増えると考えられる。
5Forces分析
①業界内の競争
インフルエンサーマーケティングプラットフォームの競合として、特定の領域に特化したAMPVERSE(アンプバース)や、テクノロジー主導のParklu(パークル)などが存在する。
各プレイヤーの戦略に違いはあるものの、突出したプレイヤーはいない状態。
②新規参入業者の脅威
集客力のあるインフルエンサーが小売業界に進出しており、D2Cに強みを持つ企業がブランドにあったインフルエンサーの選定から販売までをワンストップで提供するプラットフォームを作る可能性がある。
③売り手の交渉力
インフルエンサーの中でもマイクロインフルエンサー(フォロワー数1万~)はトップインフルエンサー(フォロワー数100万~)に比べ、リーチ力は弱い者のエンゲージメント率が高いことから、 企業が起用するケースが増えている。
一方でマイクロインフルエンサーは自力で企業から仕事を獲得するより、プラットフォームを利用し、自分にあったブランドとマッチングするほうが長期的なビジネス関係を築くができる。
しかし、インフルエンサーが選択できるプラットフォームは多数あり、乗り換えも容易であることから交渉力は中程度。
④買い手の交渉力
企業が多数のインフルエンサーの中から自社の戦略にあったインフルエンサーを発掘・管理するのは困難になりつつある。
しかし、インフルエンサー同様に選択できるプラットフォームが多数あることから交渉力は中程度。
⑤代替品の脅威
インフルエンサーマーケティングプラットフォームが新しいカテゴリーに置き換えられる可能性は低い。
次回
次回は、今回行った市場分析をもとに「エニーマインド」の戦略について整理していきたいと思います。
顧客に最適なコンテンツを提供する方法
2010年代以降、モバイル端末の普及により、多くの人々がインターネットに接続するようになり、Webコンテンツが増大しました。その結果、人々は何か知りたい事があった場合、「まずはインターネットで探す」という行動をとるようになりました。一方で、人々は日々多くの情報に晒されるため、自分に関係のないと判断した情報についてはシャットアウトするようになったとも言われています。
そのため、真に価値あるコンテンツをどのように制作し、適切な顧客に提供するのかが重要視されるようになりました。そこで注目されたのが「コンテンツストラテジー(コンテンツ戦略)」です。コンテンツストラテジーはホームページなどで見られるような文章中心のコンテンツだけでなく、最近注目されている動画コンテンツ・音声コンテンツにも活用できます。
ここでは、コンテンツストラテジーの概要について解説していきます。
■コンテンツストラテジー(コンテンツ戦略)とは
コンテンツストラテジーの捉え方や基準については、たくさんの意見があるため、正確な定義付けすることは難しく、また実践においては、定義付けすることに大きな意味のないことだと考えています。
そこで、ここでは5W1Hのフレームワークを用いて、コンテンツストラテジーのポイントを整理した定義を示します。それが、次の通りです。
コンテンツストラテジーとは
1. WHO (誰が) 組織や個人が
2. WHAT(何を) 適切なコンテンツを
3. WHOM(誰に) 適切なターゲット層に
4. WHY (なぜ) 適切な理由と
5. WHEN(いつ) 適切なタイミングと
6. HOW (どうやって) 適切な方法で
提供するための戦略である。
ここで、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
1. WHO(誰が)
これまでコンテンツストラテジーの主体は、組織であることが通常でした。しかし、今では個人でコンテンツを制作し、提供できるため、コンテンツストラテジーはフリーランスなどの個人も活用できます。
2. WHAT(何を)
近年、誰でも情報発信できることから、コンテンツの信憑性の問題が取り上げられています。最近の大きな事件として、2016年にDeNAが運営していた医療情報をまとめたキュレーションサイトWELQが、偽医療情報を配信していたことが発覚し、サービス閉鎖に追い込まれています。このように、ユーザーにとって不利益を被るような信憑性の低いコンテンツを提供することは、個人や組織の信頼を大きく損ねるため、コンテンツの質については十分に精査する必要があります。
3. WHOM(誰に)
制作したコンテンツを「誰に」届けたいのか? それが、はっきりとしないかぎり、どれだけ質の高いコンテンツを制作しても、ユーザーは十分な価値を享受できません。そこで、どのような人物をターゲットに設定するのかを決めることが重要になります。このターゲット設定のために用いられるのが「ペルソナ分析」という手法です。
「ペルソナ分析」の具体的な内容については、以下の記事を参照ください。
・「ペルソナ分析」とは(執筆予定。少々お待ちください)
4. WHY(なぜ)
コンテンツを提供する理由、つまり目的を明確にする必要があります。これは最も重要なことであり、当たり前のことのように思われるかもしれませんが、意外にも目的が曖昧なコンテンツは多く存在します。
ターゲットが何で悩んでいて、あなたが制作したコンテンツをみることで、どのような状態に変化させたいのかを充分に検討しなければなりません。また、目的が達成されたかどうかを客観的に判断できるような指標を設定することも重要です。このような指標を「KPI」と呼びます。コンテンツストラテジーの分野において、よく利用される「KPI」については、以下の記事を参照ください。
・コンテンツストラテジー分野におけるKPI(執筆予定。少々お待ちください)
5. WHEN(いつ)
普段、めんどくさい飲食店のキャッチセールスも、どこのお店も満席で入店できず途方に暮れているときに話しかけられると、「じゃあ、その店に行こう!」となりますよね? つまり、同じ情報でも、提供するタイミングが違うだけで、それを受け取ったユーザーの行動は変わります。
コンテンツストラテジーにおいても、コンテンツの制作スケジュールを組み、適切なタイミングでコンテンツをターゲットに提供することは重要です。特に、情報に賞味期限があると言われるようなもの(時事ネタなど)は、人々の関心が冷めてから提供していたは手遅れです。また、過去のコンテンツについても、定期的に見直し、更新することで情報の鮮度を保つ必要があります。
6. HOW(どうやって)
コンテンツの内容によって最適な形式は異なります。コンテンツの形式には、ブログ、ホワイトペーパー、eBook、レポート、動画、SNSなど様々な種類があるため、コンテンツの提供目的を元に、どれが最適な形式なのかを検討しなけばなりません。それぞれの形式について、メリット・デメリットを知りたい方は以下の記事を参照ください。
・コンテンツ形式の種類とメリット・デメリット(執筆予定。少々お待ちください)
ヒアリングをするときに抑えておくべき点
クライアントの要望を把握し、目的に適った価値を提供するためだけでなく、自社のリソースでどこまで要望に応えられるかを確認するためにもヒアリングは重要です。
基本的にはクライアントの意見に耳を傾け要望を整理していくのですが、クライアントが把握していない観点があったり、そもそも要望がうまくまとめられておらず政策のコンセプトが決まらないということもあります。
そのような場合に備えて、ヒアリングする側はどのような観点でヒアリングすればいいのかを決めているとスムーズに要望がまとめられてクライアントの満足にも繋がります。
ここでは、WEBサイト制作を例にヒアリングで押さえておくべき点を詳しく紹介します。
①まずは5W2Hを聞き出す!!!
5W2HとはWhy(なぜ)、What(何を)、Where(どこで)、Who(誰が)、When(いつ)、How(どのように)、How much(いくらで)の頭文字をとった、問題や要望をまとめるフレームワークです。具体的には以下のようなことを聞き出し整理します。
・Why(なぜ)
クライアントがなぜWEBサイトを作りたいのかを聞き出します。よくある要望としては、「WEBサイトからの集客を増やし、売り上げを上げたい」などがありますが、この要望に至った経緯までヒアリングすると良いでしょう。
なぜ、最終要望だけでなくその経緯を聞かなければいけないのかというと、クライアントの本当の問題を把握でき、提供しなければいけない機能を洗い出すことができるからです。これについては後ほど詳しく説明します。
・What(何を)
WEBサイトはあくまでもクライアントと市場顧客とをつなぐ入り口の一つであるため、そのWEBサイトでクライアントは何を市場顧客に提供したいのかを整理する必要があります。
例えば、製品を売るのか、資料請求までを提供するのかなど、そのWEBサイトが提供するものの範囲を明確にすることで実装しなければならない機能を決める意思決定材料になります。
・Where(どこで)
WEBサイトの場合、Where(どこで)という項目は後述のWho(誰に)という項目に重なる部分もありますが、どの地域に向けて情報を発信したいのかということを聞き出すと良いでしょう。
・Who(誰に)
ターゲット層を明確にします。WEBの利点としては容易に不特定多数の人に情報を発信できることですが、しっかりとターゲット層を絞り、そのターゲット層が好みそうなデザインやコンテンツにしないと誰もアクセスしないWEBサイトになってしまいます。
・When(いつ)
WEBサイトの作成から公開までの期間、または公開する期間などを把握します。
特に重要なのが作成から公開までの期間であり、納期が遅れることはクライアントの不満足につながるため自社のリソースもとに可能な作成期間を交渉しなければいけません。
・How(どのように)
クライアントの要望を実現するための手段を整理します。
例えば、集客目的のサイトであればSNSとの連携機能を実装しWEBサイトに訪問した顧客が情報を拡散できるようにするなど、様々な手段を提案できます。
・How much(いくらで)
クライアントの予算は無限ではないので、どのくらいの金額が支払えるのか、その金額に見合った仕事量なのかを把握することは、経営していく上で重要です。
また、どのくらいの機能を実装するといくらかかるのかをクライアントに説明できるよう料金体系を整理しておく必要があります。